会社員人生の総決算とも言える退職金。受け取り方には大きく「一時金」と「年金」の2つがあり、どちらを選ぶかで手取り額や老後の家計に大きな違いが生まれます。どちらが得かは、税制面・運用面・ライフプランの3つの観点で見ていく必要があります。
税制面:一時金が圧倒的に優遇されている
結論から言うと、税金だけで見れば一時金の方が有利な人が多数派です。理由は2つ。
- 退職所得控除という大きな非課税枠が使える
- 控除後の金額にさらに「2分の1課税」が適用される
例えば勤続30年で退職金1,500万円なら、退職所得控除内に収まり税金ゼロ。一方、年金として15年に分けて100万円ずつ受け取る場合、各年の公的年金等控除を超えた部分に税金がかかります。
AD SLOT|ARTICLE MIDDLE
※ AdSense審査通過後、ここに広告コードを貼ります
年金受け取りのメリット
では年金が損かというと、そうとは限りません。年金にも以下のメリットがあります。
- 運用益が期待できる:企業年金として運用されるため、年金原資が増えて支給額が膨らむケースがある
- 計画的な家計管理がしやすい:毎月決まった額が入るため、使いすぎを防げる
- 長生きリスクに備えられる:終身年金タイプなら生涯受給可能
- 遺族への保障がある場合も:年金規約により遺族年金として継続支給される場合がある
一時金のメリット
- 税制優遇が大きい:前述の通り
- 大きな出費に対応可能:住宅ローン繰上返済、リフォーム、車購入など
- 自由に運用できる:自分でNISAやiDeCoで増やせる
- 会社の業績リスクから切り離せる:企業の運用が悪化しても影響を受けない
判断のポイント
こんな人は一時金がおすすめ
退職所得控除内に収まる金額の人/住宅ローン残債がある人/自分で運用できる人/会社の年金運用に不安がある人
こんな人は年金がおすすめ
計画的な使い方が苦手な人/企業年金の予定利率が高い人/長寿リスクに備えたい人/一時金にすると控除を大きく超える金額の人
併用という選択肢もある
多くの企業では、退職金の一部を一時金・残りを年金として受け取れる「併用型」が選択可能です。これにより、退職所得控除を最大限活用しつつ、計画的な収入も確保できます。具体的な配分は退職金シミュレーターで試算してみるのがおすすめです。
※ 本記事は2026年度時点の税制に基づく一般的な解説です。具体的な選択は税理士・FP等の専門家にご相談ください。