退職金は人生でも有数の大きな収入。その分、どんな税金がかかるのかを正しく理解しておくことが、手取りを最大化するうえで重要です。退職金は給与とは別の特別な扱いを受ける所得で、税制上の優遇が大きい点が特徴です。
退職金にかかる3つの税金
退職金には主に以下の3種類の税金がかかります。
- 所得税:5〜45%の累進税率(課税退職所得の額に応じて変動)
- 復興特別所得税:所得税額の2.1%(2037年まで)
- 住民税:課税退職所得の10%(市民税6%+県民税4%)
これらは退職金を受け取る時に、勤務先が源泉徴収して天引きする形で納付されるのが基本です。
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退職金は「分離課税」で優遇される
退職金の最大の特徴は「分離課税」であること。給与所得・事業所得などとは合算せず、退職金単独で税額を計算します。これにより累進課税の影響を受けにくく、税率が低く抑えられます。
退職所得控除の仕組み
退職金にはまず「退職所得控除」という大きな非課税枠が適用されます。勤続年数によって控除額が決まります。
- 勤続20年以下:40万円 × 勤続年数(最低80万円)
- 勤続20年超:800万円 + 70万円 × (勤続年数 − 20年)
計算例|勤続30年の場合
40万円 × 20年 + 70万円 × 10年 = 1,500万円 が控除額になります。退職金が1,500万円以下なら、所得税・住民税はゼロです。
2分の1課税というもう一つの優遇
退職所得控除を引いた後、さらに残額に1/2を掛けたものが「課税退職所得金額」となり、これに税率を掛けて所得税が計算されます。つまり、実質的に税負担は半分になります。
ただし、役員等としての勤続年数が5年以下の場合、この2分の1課税が適用されないルールがあります。役員退職金を計算する際は注意してください。
実際の計算ステップ
- ① 退職金 − 退職所得控除 = 控除後の金額
- ② 控除後の金額 × 1/2 = 課税退職所得金額
- ③ 課税退職所得金額 × 税率 − 控除額 = 所得税
- ④ 所得税 × 2.1% = 復興特別所得税
- ⑤ 課税退職所得金額 × 10% = 住民税
- ⑥ 退職金 − (③+④+⑤) = 手取り
この計算を実際に試したい場合は、トップページの退職金シミュレーターで数値を入力して結果を確認できます。
※ 本記事は2026年度時点の税制に基づく一般的な解説です。具体的なケースについては税理士または管轄の税務署にご確認ください。